「何もしていないのにiPhoneのバッテリーがすぐ減る」と感じた経験がある方も多いでしょう。
“見えないところ”でさまざまな要因があり、バッテリーを消費しています。
ここでは、主な原因・確認方法・具体的な対策、そして改善しない場合の対応までをわかりやすく解説します。
iPhoneの「バッテリーの減りが早い」原因とバッテリー状態確認
バッテリーの減りが早くなる原因とバッテリーの状態をチェックする方法を解説します。
考えられる主な原因
- アプリのバックグラウンド動作
SNS・地図・天気アプリなどは、表で使っていなくても裏で通信や情報更新を続けていることが多く、バッテリーを消耗します。 - プッシュ通知
LINEやメールなどの通知が多いと、そのたびに通信・画面点灯・バイブ等で電力を使います。 - 位置情報サービス(GPS)の常時オン
位置情報を常に取得していると、GPSや通信機能が頻繁に動作し、電池消費が増えます。 - Wi-FiやBluetoothの常時オン
不要なときも接続し続けていると、通信を維持するためにバッテリーが減ります。 - 画面の明るさ設定
画面が明るすぎたり、自動調整が適切でない場合も消費が増加します。 - システムやアプリの自動更新
自動でアップデートが行われると、気づかないうちにバッテリーが使われます。 - バッテリーの劣化
iPhoneのバッテリー寿命は2〜3年が目安。劣化すると充電してもすぐ減るようになります。 - その他の要因
ウイルス感染や本体の発熱、古いiPhoneに新しいiOSを入れた場合の最適化不足なども考えられます。
これらの要因が複合的に絡み合っていることも多いため、原因を一つずつ切り分けて対策を講じることが大切です。
バッテリー状態の確認方法
以下の方法でバッテリーそのものの劣化があるか確認できます。
最大容量のチェック
「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態と充電」で“最大容量”を確認。新品時を100%とし、80%未満なら交換時期です。

バッテリー使用状況の確認
「設定」→「バッテリー」画面で、どのアプリがどれだけバッテリーを消費しているかグラフやリストで確認できます。
バッテリーの状態が問題なければ、次に解説する対策で解決する見込みがあります。
iPhoneを「何もしてないのにバッテリーの減りが早い」時の対策
バッテリーの減りが早い時の設定の見直し
バックグラウンド更新をオフまたは制限
設定方法
- 「設定」を開く
- 「一般」をタップ
- 「Appのバックグラウンド更新」を選択
- すべてのアプリでオフにする場合:「Appのバックグラウンド更新」をタップし「オフ」を選択
- 個別に制限する場合:リストからアプリごとにオン・オフを切り替える
また、「Wi-Fiのみ」や「Wi-Fiとモバイルデータ通信」など、更新のタイミングも選べます。
デメリット
- メッセージやニュースのリアルタイム通知が遅れる
- 地図や天気などの最新情報が自動で更新されない
- 一部アプリの機能が制限される場合がある
不要なプッシュ通知をオフ
設定手順
- 「設定」アプリを開く
- 「通知」をタップ
- 通知をオフにしたいアプリを選択
- 「通知を許可」をオフにする
→ ボタンがグレーになれば通知オフの状態です。
*緊急速報など重要な通知は、設定画面の最下部で個別にオン・オフを切り替えられます。
不要なプッシュ通知を整理することで、バッテリーの持ちや日常の快適さが向上します。
位置情報サービスは必要な時だけオン
iPhoneの位置情報サービスは、必要な時だけオンにすることでバッテリー消費を抑えられます。
設定は「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「位置情報サービス」から行い、アプリごとに利用許可を調整できます。
アプリごとの設定では主に以下の選択肢があります。
- 許可しない:位置情報の利用を完全にブロック
- このAppの使用中のみ許可:アプリを使っている時だけ位置情報を取得(バッテリー節約に有効)
- 常に許可:バックグラウンドでも位置情報を取得
「常に許可」に設定すると、アプリがバックグラウンドで位置情報を取得し続けるためバッテリーの減りが早くなります。
逆に「使用中のみ許可」にすれば、アプリが画面に表示されている時だけ位置情報を使うため、消費を抑えられます。
また、
位置情報サービスが動作しているときは画面左上に矢印マークが表示されます。
常に表示されている場合は「常に許可」にしているアプリがある可能性が高いので見直すとよいでしょう。
このように、必要な時だけ位置情報サービスをオンにし、不要な常時取得を避けることで、バッテリー消費を抑えつつ利便性も確保できます。
Wi-FiやBluetoothは使わない時はオフ
iPhoneでWi-FiやBluetoothを使わない時は、バッテリー消費を抑えるために完全にオフにすることが効果的です。
ただし、iOS 11以降のコントロールセンターのWi-Fi・Bluetoothボタンは「接続解除」機能になっており、ボタンをタップしても機能自体は完全にオフにならず、一時的に接続を切るだけです。
Wi-FiやBluetoothを完全にオフにする方法
- 設定アプリからオフにする
「設定」→「Wi-Fi」または「Bluetooth」を開き、それぞれのスイッチをオフにすると、機能自体を完全に無効化できます。
これにより、Wi-FiやBluetoothが完全に停止し、バッテリーの節約につながります。 - 機内モードを利用する
機内モードをオンにすると、Wi-FiやBluetoothを含む無線通信がすべてオフになりますが、電話やモバイル通信も使えなくなるため注意が必要です。 - ショートカットアプリでワンタッチオフ
iOSの「ショートカット」アプリを使えば、Wi-FiやBluetoothを完全にオフにするショートカットを作成・実行でき、手軽に切り替えられます。
注意点
- コントロールセンターのボタンは「接続解除」なので、完全オフにしたい場合は必ず設定アプリから操作しましょう。
- 完全オフにすると、AirDropやApple Watch連携、Handoffなど一部機能も使えなくなるため、必要に応じてオンオフを切り替えてください。
画面の明るさを適切に設定、自動調整を活用
iPhoneの画面の明るさを適切に設定し、自動調整機能を活用することで、バッテリー消費を抑えつつ快適に利用できます。
明るさの自動調整機能とは
iPhoneには「明るさの自動調節」機能があり、内蔵の環境光センサーが周囲の明るさを検知して、画面の輝度を自動で最適化します。
これにより、明るい場所では画面が見やすく、暗い場所ではまぶしさを防ぎ、不要なバッテリー消費も抑えられます。
設定方法
- 「設定」アプリを開く
- 「アクセシビリティ」→「画面表示とテキストサイズ」を選択
- 「明るさの自動調節」をオンにする
これで、環境に応じて自動的に画面の明るさが調整されます。
手動で明るさを調整したい場合
- コントロールセンター(画面右上から下にスワイプ)で、明るさバーを上下に動かして調整できます。
- 明るさの自動調節をオフにすると、設定した明るさが固定されますが、バッテリー消費が増える場合があります。
低電力モードを活用
iPhoneの「低電力モード」は、バッテリー消費を抑えたいときに非常に有効な機能です。
オンにすると、以下のような制限が自動的にかかり、電力使用量が大幅に削減されます。
- メールの自動取得回数が減る
- アプリのバックグラウンド更新や自動ダウンロードが停止
- 一部ビジュアルエフェクト(動きやアニメーションなど)が簡素化
- CPUパフォーマンスが一時的に低下し、処理速度が抑えられる
低電力モードの設定方法は、「設定」→「バッテリー」→「低電力モード」をオンにするだけです。
また、コントロールセンターに追加しておけば、ワンタップで切り替えも可能です。
バッテリー残量が20%以下になると、iPhoneから低電力モードへの切り替えを促す通知が表示されますが、バッテリーを長持ちさせたい場合は早めにオンにしておくのもおすすめです。
低電力モードが有効な間は、バッテリーアイコンが黄色に変わります。必要に応じて活用し、バッテリーの持ちを延ばしましょう。
アプリの自動ダウンロード/アップデートをオフ
iPhoneでアプリの自動ダウンロードや自動アップデートをオフにすることで、バッテリー消費やストレージの無駄な使用を抑えることができます。
設定方法は以下の通りです。
設定手順
- 「設定」アプリを開く
- 「App Store」を選択
- 「自動ダウンロード」の項目で「App」や「アプリのアップデート」をオフにする
→ これで新しいアプリやアップデートが自動的にダウンロードされなくなります。
ポイント
- この設定により、アプリの自動アップデートや他のAppleデバイスで購入したアプリの自動ダウンロードも防げます。
- 必要なときはApp Storeアプリから手動でアップデートやダウンロードが可能です。
- モバイルデータ通信での自動ダウンロードも個別にオフにできます。
この設定を活用することで、バッテリーや通信量、ストレージの節約につながります。
有機ELモデルはダークモードを活用
有機EL(OLED)ディスプレイを搭載したiPhoneでは、ダークモードを活用することでバッテリー消費を大幅に抑えることができます。
ダークモードは、画面を黒や暗い色調に切り替える機能で、有機ELディスプレイの場合、黒い部分のピクセルは発光しないため、その分だけ電力消費が減ります。
実際の検証でも、ダークモードをオンにしたiPhoneはオフのときよりもバッテリーの減りが明らかに少なく、長時間の使用でもバッテリー残量に大きな差が出ることが確認されています。
設定方法は
「設定」→「画面表示と明るさ」からダークモードを選ぶだけです。
また、
ダークモードには目の負担を軽減する効果もあるため、長時間スマホを使う方にもおすすめです。
有機ELモデルのiPhoneをお使いの場合は、ダークモードを積極的に活用してバッテリーの持ちを良くしましょう。
iOSやアプリの管理
iOSを最新バージョンにアップデート(不具合修正や省電力化が含まれることあり)
バッテリー消費が激しいアプリは使用頻度を見直すか削除
使っていないアプリは完全に終了
使用環境や充電方法の見直し
長い目で見ると以下のポイントに注意してiPhoneを扱う事も重要です。
- 推奨使用温度(0℃〜35℃)を守る
- 充電しながらのスマホ使用は控える
- 過充電を避ける、50%程度での保管など正しい充電方法を意識する
それでも改善しない場合の対処法
iPhoneの再起動
iPhoneの再起動は、バッテリーの減りが早いと感じるときや動作が不安定なときに有効な基本対処法のひとつです。
再起動によって一時的なソフトウェアの不具合やバックグラウンドで溜まったプロセスがリセットされ、バッテリー残量表示の誤差が改善する場合もあります。
バッテリーのリフレッシュ(完全放電→満充電を1回行う)
iPhoneのバッテリーリフレッシュ(完全放電→満充電)は、バッテリー残量表示のズレや急なシャットダウンなどの不具合を改善するために行う方法です。
バッテリーリフレッシュの手順
- バッテリーを使い切る
iPhoneのバッテリー残量が0%になるまで使い続け、自然に電源が落ちるまで待ちます。
(電源オフではなく、自然にシャットダウンするまで使い切るのがポイントです) - 電源が落ちたら3時間以上放置
電源が切れた状態で3時間程度放置し、内部の電気を完全に放電させます。
(3時間以上放置しすぎるとバッテリーに負担がかかるため、3時間程度が目安です) - フル充電する
コンセントから充電器を使い、100%まで一気に充電します。
充電が100%になってもすぐにケーブルを抜かず、少しの間そのまま繋いでおくのが推奨されています。
注意点
- バッテリーリフレッシュは、バッテリー残量表示のキャリブレーション(補正)が主な目的です。バッテリーそのものの性能回復効果は期待できません。
- 実施前にiPhoneのバックアップを取っておくと安心です。
- リフレッシュ作業は年に数回程度で十分です。頻繁に行うとバッテリーに負担がかかります。
iPhoneを「何もしてないのにバッテリーの減りが早い」時のまとめ
この記事では、
「何もしていないのにiPhoneのバッテリーが減る」と感じた時の代表的な原因から、バッテリー状態の確認方法、そして具体的な対策までを紹介しました。
特に注意したいのは以下のポイントです:
- アプリのバックグラウンド動作や通知設定を見直す
- 位置情報・Wi-Fi・Bluetoothの常時使用を避ける
- 画面の明るさ調整や低電力モードの活用で電力消費を抑える
- iOSやアプリを最新の状態に保つ
- 使用環境や充電習慣を見直す
日々の使い方を少し工夫するだけでも、iPhoneのバッテリー持ちは大きく改善されます。
気づかぬうちにバッテリーを消耗していないか、定期的にチェックして快適なスマホライフを送りましょう。